一般的な方法論としましては、まず、やりたいテーマを決める。そして、それに沿った人物を配し、その人物の性格等を決めたら、基本的なプロットを組み立てる。出だしを決めたら、一気にオチまで持っていく。 このようなものがあるようですが、僕はそんなやり方でつくった事は一度もありません。又、そんなやり方でできるとはとても思えません。順を追った理路整然とした、いわゆる”キレイ”なつくり方ですと例えできても、実に一般的な大方の予想する通りの展開になる%がかなり高くなり、ネタの質のレベルというものを考えると低いものしかできないだろうというのが僕の考えです。 さて、僕のやり方を紹介します。 まず落語というものは登場人物の言葉のやりとりで進むという絶対的な条件があります。ですから、会話的に面白いものが浮かぶと、それをメモします。これも、ボーッとしている時に浮かぶ事は、僕は滅多にありません。本を読んでいる時や、TVをみている時、人と話しをしている時等に浮かぶ事がほとんどです。そして、そのメモを見てそれが生きる為に、つまり、つじつまがあう為に、どうするかと考え、前やら後やらを書き進めていくうちに、徐々に設定や人物像が固まっていき、そのうち一本の作品になる。 と、まぁそんなところです。自分でも、どんな展開になっていくのか、どんな人物が登場するのであろうか、よく分からない状態で進めていくわけですが、書いていくうちに徐々に徐々にみえてくるようになりまして、そのあたりのゾクゾクする感覚は体験してみないとわからないかもしれません。では皆さんも、そのゾクゾク感を味わう為にLet's Try! 「異国人食堂」は、こうです。 まずメモにはこう書いてあります。 「おあいそ頼む」 「とらぴぽ?」 「おあいそ!」 「とらぴぽ!」 「このヤロー、じゃ1文字ずつ言うから言ってみろ。・・・お!」 「お!」 「なんだ言えるじゃねーか・・・あ!」 「あ!」 「そうそう。い!」 「い!」 「そ!」 「そ!」 「そうだよ。お前もやればできるじゃねーか。それを4つ続けて、お・あ・い・そ」 「・・・と・ら・ぴ・ぽ」 「なめてんのか!」 と、こうです。この時点では登場人物も、背景も、場所も、ましてや展開など全くわかりません。で、その部分を元につくっていたら、なんとなく出来てしまったのが、この作品なのです。進めていくにあたっては自分の持っているパターンというものが大きな武器となります。そのパターンの数が多ければ多いほど、幅のある作品が出来るように思われます。そのパターンとは何か?そのパターンを増やす方法論とは何か?この2つについては、ここでは秘密にしておきます。さぁLet's Try! さて、ノートには数々のメモが記されていますが、なかなか一つの作品にはなりません。たとえばこんなメモがあります。 「キムタク」 「え〜と、キムラ」 「そうそう」 「・・・たくぼく」 「違うよ、たくやだよ。じゃあブラピ」 「ブラピ?」 「ヒントをあげる、上はブラッド」 「ブラッド?ブラッド・・・P左衛門」 「誰だそれは!大体そんな名前の人間1人でもいるか!え〜と次ぎはシミキン」 「清水金一」 「なんで当たるんだよ!」 はっきり言って、これは面白くないです。でもよく見ると、3段落ちになっているのに気付いていただけたでしょうか。そして、これがスムーズに入ってくる噺というものはいったい何だろうか?と今も考えているわけです。しかし、それがなかなかどうも。そのうち発表できるとは思いますが・・・ |
ねた帳 |
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