東京フィルの首席フルート奏者として今もなお第一線で活躍中の吉岡アカリ氏が還暦を迎え、そのコンサートにフルートオーケストラのコンサートマスターとして出演いたしました。吉岡アカリ氏は最も尊敬するフルート奏者の一人であり人生で最もお世話になった人。私が東フィルにゲスト首席で度々呼んでいただけるようになったのも、ウィーン留学のご縁や夫との出会いのきっかけも、全てアカリ氏のおかげ。この人がいなかったら私は今フルートを吹いていなかったかもしれません。そして写真に写るもうひと方は名古屋フィル首席フルート奏者の富久田治彦氏。この方にも名古屋フィルに何度も呼んでいただいてとてもとてもお世話になりました。実はこのお二人、京都生まれで同門で、同い年なのです。二人の大恩人との写真は私の宝物です。

このコンサートでは総勢70名ものフルートオーケストラがアカリ氏と共演しました。お弟子さん中心のフルートオケということで当初私は後ろの方でコッソリ参加するつもりだったのですが、まさかの大役を仰せつかることに(!)アカリ氏との長年のお付き合いで信頼をいただけたのだとしたらとても光栄なことなのですがとにかくおっちょこちょいの私、なかなかにプレッシャーでした(汗)アカリ氏と周りのメンバーの皆さまに支えられなんとか無事に終演し、ホッとしております。


この日のプログラムはアカリ氏指揮によるフルートオケでのバッハのトッカータとフーガに始まり、同じくアカリ氏の指揮で武蔵野音大現役学生によるシャブリエのスペイン狂詩曲、そしてアカリ氏がなんとピアニストとなってモーツァルトのピアノ協奏曲23番、富久田氏とのデュオ「決闘」、ライネッケのフルート協奏曲、委嘱作品の「ソノヒトの生涯」、そして最後はモルダウというもの。これだけの中でフルートを吹いたのはたったの2曲(!)さすがにピアノ協奏曲は「なんでやるなんて言っちゃったんだろう」とものすごく緊張していらっしゃいましたが、初めての指揮はもうそのままプロの指揮者として通用する素晴らしさ。70名ものフルートオケに全く引けを取らないフルート協奏曲はその音量も音色も圧巻でしたし、富久田氏との「決闘」はパフォーマンス付きで息ぴったりの見せ場でした。
そしてこのコンサートのもう一つの話題がパンフレット。フルート吹きなら誰もが知る「タファネル&ゴーベール」のデザインにソックリ。その表紙をめくるとタファネルの写真に似せたアカリ氏の写真が!これはもう腹筋崩壊の大爆笑でした。実はこれには伏線があり、演奏会のフライヤーはモイーズ大先生の「ソノリテについて」チケットは教則本のアルテのデザイン。アカリ氏の茶目っ気とサービス精神がそのこだわりに顕われていて永久保存したくなります(笑)



終演後はロビーでアカリ氏と共通の知人友人達の懐かしい顔が拝見できとても嬉しかったです。同じ京都出身でこれまた同門の佐渡裕氏(もともと佐渡氏は京都市芸のフルート専攻)からの大きなお花も飾られておりました。

レセプションではアカリ氏に出会いのきっかけをいただき、今年無事に銀婚式を迎えた私たち夫婦から、何か赤い物をプレゼントということで赤ワインを。大喜びしてもらえました。

最後は出演者全員からアカリ氏へのプレゼント。包みを破って中から出てきたのはなんと指揮棒!この人が指揮者としてオーケストラを指揮する日もそう遠くないかもしれません。思い出に残るコンサートに出演できて幸せでした。最後になりましたが大雨の中ご来場いただいたお客様には心より感謝申し上げます。

